イ・ミョンバク政府当時、賄賂の疑いで実刑を宣告されたイ・ククチョル前SLSグループ会長が、ベンツコリアを相手に商標権侵害禁止訴訟を提起した。ベンツの最高級スポーツカー「SLS AMG」などがSLSの商標を無断で使用したという主張である。
17日、イ・ククチョル前会長は「SLSの商標を韓国で使用する権利は、SLSグループが持っている」とし「ベンツは、SLSの商標の使用が問題になるという事実を知りながら無断で使用した」と述べた。彼は続いて「この懸案を法的に処理するために、法務法人を選任して、損害賠償金1億ウォンと、今後広告に「SLS」が入った商標を使わずに謝罪する新聞広告を掲載しろとの内容の訴状を裁判所に提出した」と明らかにした。
かつて年間売上高1兆ウォン以上を記録したSLSグループは、2009年には、会長が秘密資金造成疑惑で検察の調査を受ける過程で解体された。しかし、「SLS」の国内商標権は、まだSLSグループが持っている。イ・ククチョル前会長が1998年に、海と陸、空(Sea Land Sky)で足跡を残すという意味で「SLS」グループを設立し、2008年に「SLS」の国内商標権を登録したためである。現在は、SLSグループの子会社が国内商標権を保有している。
一方、ベンツがSLS AMGモデルを発売した時期は、2009年フランクフルトモーターショーで、SLSグループより時期的には遅い。
法務法人の弁護士は「世界企業のベンツが、SLSブランドを世界的に使うといっても、それぞれの国で発売するたびに、国別の商標を別々に出願しなければならない」とし「もしベンツが韓国でSLS AMGなどSLSが入った商標を使うには、SLSグループとまず議論をして、ライセンス契約を結んだり商標権を買った後に使用しなければならない」と指摘した。
ベンツもこの事実を知っていた。2009年末、ベンツは、数億ウォンに達するスポーツカーSLS AMGを韓国で発売する前に、国内商標権を出願したが、SLSグループが登録されており、商標が同一であるという理由で2011年5月に最終拒絶されている。その後ベンツは、SLSグループが持っている商標の取り消しを求める審判を請求したが、2012年に棄却されている。しかし、ベンツは、国内商標権登録を拒絶される前の2010年からSLSが含まれている「SLS AMG」の商標を国内で使い始めた。
これに対して、ベンツコリア側は「SLS AMGロードスターは、2013年11月に生産中止になった」とし「商標権の問題事案については、本社と協議して対応する」と述べた。
【記事】
http://news.chosun.com/site/data/html_dir/2015/02/17/2015021702000.html