韓国のスーパーコンピュータのパフォーマンスが遅れをとって、関連産業を支援するのが難しいという指摘が出ている。事実上、韓国唯一の共用スーパーコンピュータである韓国科学技術情報研究院(KISTI)の「タキオン2」は、世界のスーパーコンピュータのランキングで200位圏外に押し出された。
15日、KISTIによると、2009年の導入時、タキオン2は演算速度が世界14位だったが、2013年に107位、昨年11月には201位まで落ちた。その間、日本と中国のスーパーコンピュータは、2011年と2013年にそれぞれ世界1位を占めた。
保有台数も少ない。世界トップのスーパーコンピュータ500台のうち、半分を超える250台がアメリカにある。日本と中国もそれぞれ30台、60台のスーパーコンピュータを持っている。しかし、韓国のスーパーコンピュータは、4台だけだ。このうちの3台は気象庁が保有しており、気象観測と天気予報に使われている。したがって、唯一民間で借りることができるスーパーコンピュータは、KISTIのタキオン2だけなのだ。サムスン電子など、一部企業が保有しているものまで合わせても合計9台だけだ。それら民間業者のスーパーコンピュータのランキングも世界100〜300位のレベルである。
スーパーコンピュータは、通常のコンピュータよりも演算速度が数十〜数百倍速い。アイデアを産業化するために必要な模擬実験、新製品の開発のためのデータ抽出、消費者心理や流行トレンドなど、ビッグデータ分析にスーパーコンピュータを活用する企業が増えている。トヨタ、フォード、ボーイング、パナソニックなどの有名企業は、スーパーコンピュータの活用に積極的である。スーパーコンピュータの基礎研究での活用は言うまでもない。
スーパーコンピュータは、価格が数百億ウォンに達し電気代も年間数十億ウォンに達するほど費用がかかり、企業単体でスーパーコンピュータを購入するのは容易ではない。これを解決するために、政府で共用のスーパーコンピュータを導入したが、1台だけなので、企業に(使用する)順番がなかなか回って来ない。
KISTIの関係者は「タキオン2は、既に使用予約で飽和状態」とし「大学と政府出資の研究機関の利用率がそれぞれ69%と21%であり、産業界の利用機会は少ない」と述べた。
一言:タイトルは、原文記事のとおりです。
【記事】
http://www.hankookilbo.com/v/7912259e5c514ef68c3cd37d1cedb811