抜粋:韓国自動車産業「競争力こそが答えである」
韓国自動車産業が危機だという声があちこちから聞こえてくる。今年1〜5月の国内販売は、前年同月比で1.8%と小幅増加したが、輸出がうまくいかない。1〜5月に126万台を輸出し、前年同期より5.9%減少した。自動車産業の危機は、すなわち韓国の自動車の内需&輸出の75%を占める現代起亜自動車の危機でもある。現代起亜車は、国内では躍進する輸入車に押されて、外に出て行けば、円安とユーロ安、新興国の自動車需要の減少で厳しい戦いを強いられている。ついに先月、現代車は、世界最大の自動車市場1、2位であるアメリカと中国(注)での販売台数がそれぞれ10.3%、12.1%と急減し、非常事態となった。統計だけ見ると、現実は暗鬱である。
果たして韓国の自動車産業は危機なのか。専門家の意見を聞いてみよう。産業研究院のイ・ハング主任研究委員(博士)に連絡を取った。イ委員は、産業研究院輸送機械産業チーム長、韓国自動車産業学会副会長などを務めた代表的な自動車産業の専門家である。
【危機とまでは言えないと思う】
現代車の営業利益率は昨年より落ちたが、まだ7%台です。一般製造業(の営業利益率)は5%水準です。7%台を危機と見ることはできないでしょう。危機ではなく、販売の鈍化です。トヨタは09〜10年にアメリカで大量リコール事態の時、販売が急減し、赤字の沼に落ちました。そういうのを危機と言うのです。当時、トヨタは、その危機を正面から突破しました。品質の改善に集中したのです。トヨタは、競争力を回復して2年で危機を克服しました。
【現代起亜自動車が不利】
ドイツの自動車メーカーの研究開発(R&D)投資額が30兆ウォンに達し、トヨタはR&Dに10兆ウォンを使います。現代起亜自動車は、合わせても3兆ウォンに過ぎません。日本は、自動車関連産業のR&D投資額が20兆ウォンに達します。産業基盤が非常に強いのです。
【グローバル企業がR&Dを重視する理由】
トレンドが変わってきています。今、消費者の信頼性、利便性と環境性能、半自律走行、電装化に流れが移ってきています。このような車を開発するには、多額のお金が必要です。そして、ここで淘汰されれば終了です。
【困難を乗り越えていくための方法】
為替レートが原因で困難だとか、部品メーカーに転嫁してはいけません。1次部品メーカーの営業利益率は、3%台です。これ以上、納品価格を引き下げれば、一部のメーカーは倒産する可能性があります。そうなれば、サプライチェーンが切断されてしまいます。リコールのほとんどは、実際、部品メーカーの問題です。品質管理のためには、部品メーカーから良くしなければなりません。良い労使関係も重要です。トヨタは、労使が安定して協力会社とも良好な関係を維持しながらやってきています。
競争力のためには、技術革新とスピードが重要です。消費者のニーズを満たしてくれる新製品をいかに迅速に出せるかで勝負が分かれるでしょう。
一言:記事中、世界最大の自動車市場1位は中国です。
【記事】
http://economy.donga.com/home/3/all/20150622/72032119/2
posted by クライバー at 11:39|
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