国内の鉄鋼業界が「不況、反ダンピング、環境規制」という3重苦で苦しんでいる。不況の原因である供給過剰と需要の不振という構造的な悪循環はなかなか解消される兆しを見せていない上、韓国産鉄鋼材に対する海外各国の輸入規制は、広がる様相である。ここに政府が最近、温室効果ガスの削減規模を予想よりも大幅に引き上げることを決定し、共倒れの危機感さえ漂っている。
【第2四半期の回復は困難】
鉄鋼業界の回復はまだ霧の中である。証券業界は、鉄鋼業界が第2四半期に続き、第3四半期にも意味の有る改善傾向を見せることが出来ないと予測した。ハナ大投証券は、ポスコの第2四半期の売上高を前年同期比で10.9%減の6兆6000億ウォンと予想した。営業利益は、2.8%増の5813億ウォンで、市場コンセンサスを下回ると予想した。パク・ソンボンハナ大投証券研究員は「第2四半期はオンシーズンで鋼材販売量が当初の予想を超えていたのに、原材料投入単価と販売単価の違いによって、コンセンサス以下の業績が予想される」と述べた。
現代製鉄は、自動車鋼板価格の凍結とH型鋼の実績改善によって、第2四半期の営業利益が市場コンセンサスに合致するものと見られる。しかし、親会社であり現代製鉄全体利益の50%を占める現代自動車が販売不振に陥っていることがリスク要因である。
【海外各国、韓国産鉄鋼材への牽制の増加】
韓国産鉄鋼材輸入のための海外各国の牽制もますます激しくなっている。業界によると、現在8カ国で韓国鉄鋼材16件に対する反ダンピングあるいはセーフガード(緊急輸入制限措置)を調査中であるという。実施中の規制は、63件に達する。2013年末(47件)と比較して約35%増加した数値だ。インドは最近、韓国と中国産のステンレス(STS)熱延鋼板に対して反ダンピング決定を下し、韓国産STSについて5年間、トン当たり180ドルの関税をかけることにした。アメリカも最近、USスチールなどアメリカの6つの鉄鋼メーカーが韓国・中国など5カ国の耐食鋼製品について、ダンピングの疑いでアメリカ国際貿易委員会(USITC)に提訴するなど、特に規制を強化している。
鉄鋼業界の関係者は「鉄鋼産業は、輸出の割合が大きい産業」とし「反ダンピングの調査が規制につながる場合、国内の鉄鋼の輸出と業績回復にも悪影響を及ぼすだろう」と語った。
【温室効果ガス削減の負担】
政府の環境規制も切羽詰まっている。鉄鋼業界は、これ以上削減するほどの手段を見つける事が難しいと吐露する。既に採用可能な最新の削減技術を全て現場に採用しており、追加削減する余力が大きくないという事である。
鉄鋼業界の関係者は「ただでさえ困難なのに、負担だけ増えている」とし「韓国と中国、日本の三カ国の鉄鋼市場の競争が激しい状況で、韓国だけ先に環境規制に乗り出すのは、鉄鋼業の後退をもたらすだろう」と述べた。
一言:タイトルは、原文記事の通りです。
【記事】
http://www.asiae.co.kr/news/view.htm?idxno=2015070312280297324